日常から一変し突然起こった出来事に、どうすればよいかわからない、身近な人に相談することができないといった不安や戸惑いの気持ちを抱えていませんか。
また、誰かに相談したいと思っても「どこに連絡すればいいのかわからない」と迷ってしまう方も少なくないと思います。
今回紹介する#8891(ワンストップ支援センター)と#8103(警察性犯罪被害相談電話)は性被害に遭った方を支えるための大切な窓口です。
この記事では、どちらに連絡すればよいか迷った時のために、それぞれの特徴や違いを簡単にご紹介します。
あなたが安心できる場所につながるためのちょっとした手掛かりになれば幸いです。
目次
#8891 ワンストップ支援センターとは
#8891(はやくワンストップ)とは、性犯罪・性暴力被害に遭った方のためのワンストップ支援センターにつながる全国共通の短縮ダイヤルです。電話を掛けると最寄りのワンストップ支援センターにつながります。
・現在47都道府県で56カ所設置されており、24時間体制は19カ所、それ以外のところでも 夜間休日対応をしている。(R8.1.20時点)
・共通番号があることで最寄りのワンストップの電話番号を調べなくて良い。
・年齢、性別にかかわらず匿名での相談も可能。
・通話料無料で相談可能。
・地方の方はその地域の方言で話すことができるため話しやすい。
〇できること
①相談対応
相談者の方の意思を尊重しながら、今後どうしていきたいのか等を専門の相談員が聞いてくれます。
また、今後どうしていきたいなどの目的がなくても、漠然とした不安やただ話を聞いてほしいといった場合や被害から時間が経ってしまった場合でももちろん相談可能です。
②医療的支援
被害後の検査や治療(けがの処置・性感染症検査・妊娠の不安・心の不安等)で産婦人科や心療内科などの病院に行く必要がある場合、病院の紹介をしてくれます。
また、かかった医療費について、医療費が還付される等の制度の案内をしてくれます。
③心理的支援
専門の相談員が話を聞いてくれる以外にも、カウンセラーによるカウンセリングが受けられることやカウンセラーや医師等の紹介をしてくれます。
④法的支援
弁護士の紹介をしてくれます。加害者への対応や被害届のことなど、法的サポートにつながるきっかけになります。
⑤同行支援
病院・警察・弁護士事務所などへ支援員が同行をしてくれます。
不安な気持ちを抱えたままひとりで向かう必要はありません。
誰かが隣にいてくれるだけ心強く感じられることがあります。
過去記事で体験談含め掲載しています。
〇どんな人が電話に出るのか
・電話に出るのは、性被害の対応について研修を受けた専門性を持つ支援員です。
性暴力救援センター・SARC東京によると、
性暴力の実態を理解し、性暴力被害者支援における心理面・身体面の医療的知識、
法的知識を持つものが対応。
全国被害者支援ネットワークのページでは、
犯罪被害者直接支援員、犯罪被害相談員の資格を持った者
→25歳以上であり、「人格・行動に社会的信望がある者」「職務遂行に必要な熱意と時間的余裕がある者」「生活が安定している者」「健康で活動力を有する者とし、なおかつ相談業務におおむね3年以上従事している者」
上記全ての要件を満たすことが条件であり、さらに養成講座・養成研修を経て、認定された者が資格を持つことができる。
と記載があります。
・基本的に女性の相談員が対応します。
例 福島県の記載「女性支援員対応」
和歌山県の記載「女性の支援員がお話を伺います」
沖縄県の記載「女性相談支援員による~」 など
・男性相談員が対応できるところもあります。
例 青森県の記載「相談される方の希望により女性または男性の相談員が対応します」
宮城県の記載「土曜日は、男性相談員による相談も行います」
鳥取県の記載「専門的な研修を受けた女性相談員が~ご希望により男性相談員が対応
できる場合もあります」 など
・男性被害者専用窓口もあります。
例 神奈川県の記載「男性及びLGBTs被害者のための専門相談ダイヤル」
大阪府の記載 「全体の相談窓口とは別で男性のための性被害相談窓口を開設
男性相談員が常駐(女性相談員も対応可)」
島根県の記載 「男性・男児の性暴力被害に対応するワンストップ支援センター」
徳島県の記載 「男性性暴力被害者のための専用相談窓口」
〇#8891に電話をしようか悩んでいるあなたへ
研修を受けている専門の支援員が対応してくれます。
言葉がうまく出てこない時があってもうまく話せなくても、相談は自分のペースで大丈夫です。
被害後の気持ちの揺れや不安、怒り、混乱などは、どれも自然で大切な反応です。
ひとりで抱え込まず、誰かに話をしながら整理をすることで、少しずつこれからどうしていきたいかが見えてくるかもしれません。
被害に遭ってから時間が経っていない場合は、必要な検査等受診に関する助言もしてもらえます。
また、法的な対応に関しては、加害者からの示談交渉等、被害者が一人で対応する負担が高いものもあります。
そのようなとき、わからないことをひとりで考える必要はありませんし、急いで決める必要もありません。あなたの判断を支えてくれる人がいます。
そして、被害者本人でなくても、被害者の家族やパートナーの方が代わりに電話で相談することもできます。
自分のタイミングでかまいません。
必要になったときにつながれる場所があること、あなたがひとりではないことを覚えていてほしいです。
#8103(警察 性犯罪被害相談電話)とは
#8103(ハートさん)とは、性犯罪や性暴力の被害について、警察に相談できる全国共通の短縮ダイヤルです。
電話をかけると最寄りの各都道府県警察の性犯罪被害相談窓口につながります。
・警察に正式に届け出る前の相談段階でも利用可能。
・共通番号があることで最寄りの警察署の電話番号を調べなくて良い。
・緊急時以外では、110番や直接警察署に向かうよりも#8103に掛けた方が警察官も理解を得やすい。(110番や警察署に直接行く場合は総合窓口で対応することになるため、性被害対応がわからない担当者が対応する可能性もある。)
・年齢、性別にかかわらず匿名での相談も可能。
・通話料無料で相談可能。
・地方の方はその地域の方言で話すことができるため話しやすい。
〇下記のような方の利用がおすすめ
・被害届を提出して、刑事事件化したいと思っている
・加害者を逮捕してほしい、捜査してほしい気持ちがある
・警察に行くかどうか迷っているので、行くとどのような手続きがあるのか等を知りたい
・被害を届け出たいけれど、加害者がこわい
上記のように、被害を警察に届け出るかどうか迷っている段階でも相談してよい窓口です。
警察に被害を届け出たらどのような手続きがあるのか等、教えてもらうことができます。
警察に行くのはハードルが高いため、まず最初に警察の性被害専門の相談窓口に相談をし、そちらで話をしてから詳細の聴取に向かうといった流れも取ることができます。
〇警察に被害届を出すことでしてもらえること
各種手続きの説明
・刑事事件に関する制度
・裁判で利用できる制度
・各種支援
など
経済的負担の軽減
・病院でかかる費用(緊急避妊・初診料・診断書料・検査費用・中絶費用等)
・カウンセリング費用
・緊急避難場所を確保するためにかかる経費やハウスクリーニングに要する経費等
などの公費負担制度があります。
※上記は「発生した日から」や「発生を知った日から」など期限を設けていることや、被害状況によっても条件が異なりますので、申告を考えている方は各自お問い合わせをして確認してみてください。
#8891と#8103、あなたに合うのは?
「今後どうすればよいかわからない」
「まずは話を聞いてほしい」
「医療や不安などの心のケアをしたい」
「弁護士を紹介してほしい」
など総合的な支援につながりたい時➡#8891
「警察への相談を考えている」
「法的な対応や手続きが知りたい」
「警察へ被害届を出したい」
「加害者への対応をどうすればよいかわからない」
など警察への相談を考えている時➡#8103
つらい出来事のあとに、「どこに相談すればいいのか」「どうすればいいかわからない」と立ち止まってしまうことはとても自然なことです。
#8891と#8103はそんな時にあなたに寄り添ってくれる窓口です。
違いはありますが、どちらが正しいということはありません。
また、誰かに相談することはとても勇気のいることだと思います。
自分のタイミングで、自分ができる!と思った時で構いません。
「ひとりで抱え込まなくてもいい」そのことをどうか覚えていてください。
この記事が少しでもあなたの安心材料になりますように。
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