アフターピル(緊急避妊薬)を飲まなくてはならない状況になったとき、とても不安なことが多いと思います。
アフターピルを飲んだ経験のある筆者の当時の状況なども交えながら、支援制度についてもご紹介します。
目次
アフターピルQ&A
緊急避妊薬(アフターピル)とは?
妊娠の疑いがある性交をした後、72時間以内に服用することで高確率で妊娠を防ぐ薬のことです。
主にノルレボとヤッぺ法(中用量ピルを2回に分けて飲む方法)の2種類があります。
重い副作用はないの?
重篤な副作用や持続的な副作用はありません。月経不順、吐き気、下腹部の痛みなどの軽度で短期的な副作用が出る場合はあります。
※医療機関の情報をより正確なものとしてご確認ください
どのくらい費用がかかるの?
保険適用がなく、約6,000円~20,000円程度かかります。
ノルレボよりもヤッぺ法のほうが安価な傾向にあります。
どのくらいの確率で妊娠を防げる?
緊急避妊薬は、服用が早ければ早いほど高い効果が得られます。
アフターピルの種類によっても効果が異なります。
ノルレボの避妊率(アフターピルを飲んで妊娠しなかった人の割合)は98%、妊娠阻止率(アフターピルを飲まなければ妊娠するかもしれなかった人のうち、アフターピルを飲んだことで妊娠しなかった人の割合)は85%といわれています。
ヤッぺ法の場合は避妊率が96%、妊娠阻止率が57%といわれています。
※医療機関の情報をより正確なものとしてご確認ください
緊急避妊薬を飲んだら、将来妊娠しづらくなる?
緊急避妊薬は将来の妊娠しにくさに影響しません。避妊薬服用後に妊娠した場合も、胎児に影響はありません。薬の成分は数日以内に体内から消失します。
性暴力被害に遭われた方に
アフターピルが必要な状況は、ただでさえ不安が大きいことです。
性暴力被害の場合は、ほかにも不安なことが多く重なっています。
被害に遭ったとき、初動として対応することはさまざまありますが、病院に行きアフターピルをもらったり、怪我がないかを診てもらったりすることは、中でも大切なことです。
アフターピルは72時間以内と時間的制約がある為、なるべく早めに受診しましょう。
また、併せて性暴力の証拠採取をする場合は、事前にワンストップセンターまたは警察に相談し、そのうえで提携の医療機関に繋げてもらうとスムーズです。
ワンストップセンターや警察を通して病院に連絡をすることで、自身で医師に状況説明をする負担が減らせます。
場合によっては、待合室を別にしてもらってほかの患者と顔を合わせないようにしてもらえる可能性もあります。
緊急避妊等の経費負担
性暴力被害によってアフターピルが必要になった場合、その費用は公費から戻ってきます。
ただし、これは各都道府県警察が負担しているものなので、費用の支援を受けるには警察に被害届を出す必要があります。
各都道府県警察は、アフターピルの料金以外に初診料、診断書料、性感染症の検査費用、人工妊娠中絶費用等を公費で負担しています。
THYME運営者の場合も、アフターピルの料金、初診料、診断書料、性感染症の検査&治療費を支援してもらいました。
しかし、領収書をきちんと残して警察に提出申請をすることで戻ってくるので、時間はかかってしまいます。
また、自治体によって異なるかもしれませんが、3万円までという支援額の上限もありました。
「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」について
このプロジェクトでは、女性が健康を守るために、安心して、適切かつ安全に、緊急避妊薬にアクセスできる社会の実現を目指す取り組みがされています。処方箋なしで薬局で薬剤師から緊急避妊薬を受け取ることが出来ることなどを目標に活動しています。
緊急避妊薬を処方できる病院が離れた場所にあったり、夜間や休日で診察時間外であったりする場合、すぐに緊急避妊薬を服用できないことがあります。緊急避妊薬を飲むまでの間、不安な時間を過ごす方も多いです。緊急避妊薬の服用は早ければ早いほど効果が期待できるため、困っている女性がすぐに緊急避妊薬にアクセスできる環境づくりは大切です。
緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクトのホームページ
最後に
緊急避妊薬を飲むことは全く悪いことではありません。
なかには緊急避妊薬を飲まなければいけない状況になったことに対し、責める人もいるかもしれません。
ですがそれは、しっかりとした性教育を受けさせてくれない社会の側の問題でもあります。
緊急避妊薬の知識を持って、自分の身体を守ることはとても大事なことです。
一人で悩まず、早めに医療機関を受診しましょう。
参考サイト
https://jlc.tokyo/examination/11.html
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知識はやさしさ THYME.